ジニア
全身義体。脳以外を人工パーツに置き換えたニューロエイジ技術の最先端。
――だったのは数年前までの話だ。
義体化の負担に関するひとつの研究レポートの発表を機に、全身義体は一気に陳腐化した。
多くの人間が全身義体をアンインストールし、企業も開発を打ち切った。
だが医療用全身義体でしか生きられない者たちもいる。
彼らはサポートもろくに受けられず、いつ自分の体が活動停止するかの不安におびえている。
かつて祝福だった技術は、忌まわしい呪いとなった。
けれども課題があるならば、それを乗り越えることはできないのだろうか。
結果が出るかはわからない。それでもその困難に挑もうとする者たちがいた。彼らの名は――。
トーキョーN◎VA The AXLERATION
「株式会社サイボーグ(仮)」(*1)
これは不可能という運命に挑んだ者たちの、奮闘の記録である。
*1 社名に関して
社名の「株式会社サイボーグ(仮)」は『エグゼク』のPLが名前を変更できます。
各キャストには、以下の設定が推奨される。
『トーキー』:株式会社サイボーグ(仮)を取材する記者
『エグゼク』:株式会社サイボーグ(仮)の代表取締役
『チャクラ』:ストリートボール義体部門の元選手
▼①『トーキー』用ハンドアウト
コネ:カナエ・バークレイ 推奨スート:【♣(感情)】 キャスト間コネクション:『②エグゼク』 |
|
君は報道を生業とする記者だ。事件を追うことが多いが、取材対象はそれだけではない。 君は友人のカナエ・バークレイに頼まれ、彼女が所属する「株式会社サイボーグ(仮)」の取材を引き受けた。 彼女の理念は素晴らしく、技術者としての腕も申し分ない。義体の復権という彼女たちの挑戦は成功する、かに思われた。 だが突如セニットで義体の開発制限法案が制定されたことで状況は一転してしまう。 彼女たちだけではこの困難に打ち勝てない。だからその声を届け、世論を動かせる力。すなわち君の報道が必要なのだ。
【PS:報道で世界に全身義体を認めさせる】 ※所属組織などは自由です。数か月から一年程度の長期取材を想定しています。 ※〈社会:メディア〉や〈交渉〉判定の機会があります。 |
▼②『エグゼク』用ハンドアウト
コネ:菱之木天膳(ひしのき・てんぜん) 推奨スート:【♣(感情)】 キャスト間コネクション:『③チャクラ』 |
|
君はフリーランスの実業家だった。 そして現在は義体復権のために活動するベンチャー企業「株式会社サイボーグ(仮)」の代表取締役だ。 元イワサキの全身義体技術者のカナエ・バークレイに誘われ、君が代表取締役として企業を立ち上げた。 彼女の技術ノウハウと君の経営手腕。それがあれば十分に勝算はある、はずだった。 しかしセニット議長である菱之上天膳の横槍により君たちの事業計画は否認されてしまう。 スポンサーは降りた、社員は辞めていった、工場との契約も白紙になった。 だが、まだやれることはあるはずだ。再認可に向け、君は準備を開始した。
【PS:全身義体の開発許可を勝ち取る】 ※イワサキ時代のカナエと親交があった実業家を想定していますが、彼女との関係性や前歴はキャストが好きに決めて構いません。 ※〈社会:企業〉〈社会:テクノロジー〉判定の機会があります。 |
▼③『チャクラ』用ハンドアウト
コネ:カナエ・バークレイ 推奨スート:【♣(感情)】 キャスト間コネクション:『①トーキー』 |
|
N◎VAで最も人気なスポーツ、ストリートボール。“バレット”と呼ばれる鋼鉄球を奪い合い、相手のゴールに叩き込む格闘球技。 君はその中でも最もエキサイティングな義体部門(フルボーグ・レギュレーション)の選手だった。 しかし義体危険性の周知に伴い義体部門は解体。君も全身義体をアンインストールすることになった。 そんなに君に株式会社サイボーグの技術者、カナエから新型義体技術に関するテスターへの誘いがかかった。 義体危険性が解決されれば、またあの熱い日々に戻れるかもしれない。君はその依頼を受けることにした。
【PS:ストリートボール義体部門を復活させる】 ※『チャクラ』は義体をアンインストールしている設定を必須とし、[部位:義体]の装備を禁止します。 ※〈白兵〉判定の機会があります。またカット進行ができる能力も有用です。 |
●クイックスタート
クイックスタートで作成する場合、本シナリオでは以下のサンプルキャストを使用することを推奨する。
『①トーキー』:遊撃記者(『SKD』版)
(http://www.fear.co.jp/novax/download/nx_sdic_rb_sam04.pdf)
『②エグゼク』:天才経営者(『NAN』掲載)
(http://www.fear.co.jp/novax/download/nx_nan_rb_sam03.pdf)
『③チャクラ』:不屈の探偵(『SKD』版)
(http://www.fear.co.jp/novax/download/nx_sdic_rb_sam01.pdf)
●コンストラクション
コンストラクションで作成する場合、以下のスタイルを持つキャラクターを作成することを推奨する。
『①トーキー』トーキー/株式会社サイボーグ(仮)の取材を行う
『②エグゼク』エグゼク/株式会社サイボーグ(仮)の代表取締役
『③チャクラ』指定スタイルなし/ストリートボール義体部門の元選手
・経験点に関して
特に経験点の使用制限などはございません。アクト中の成長含めて特に制限はありません。
シナリオの難易度はクイックスタートでもクリアできる程度の難易度を想定しています。
・必要神業
本シナリオでは《暴露》の使用を想定しているシーンがあります。
必要防御神業はありません。
またすべての神業はクライマックスのFS判定を有利にすることが可能であり、スタイルにおける制限はありません。
・クライマックスに関して
本シナリオのクライマックスフェイズはFS判定により進行し、クライマックスの終了条件はFS判定のクリアとなります。
ただしカット進行と並行して行われるため、一人はカット進行能力があるといいでしょう。
・FS判定に関して
FS判定の進行判定には他の行動と組み合わせることができないというルールがあります。
本シナリオではこれは進行判定に指定された以外の一般技能を組み合わせることができないものとして処理します。
・使用サプリメント
本シナリオのデータはすべて再録サプリメント(『SKD』『OFC』『NAN』)のデータを使用します。
未所持の方は再録前のデータの使用を認めますので、事前にお申し付けください。
また以下のルールを使用します。特にFS判定に関するルールはクライマックスフェイズで大きく取り扱うので一読をお願いします。
『OTS』CSルール、トループ級ルール
『CTL』SPSルール、FS判定
・主に使用される社会技能
本シナリオでは主に以下の社会技能が使用される。前にあるものほど、使用頻度が高い。
〈社会:企業、テクノロジー、メディア、ストリート〉